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まったりの向こう側

第5章 check the answer



二度三度、握っては開いてを繰り返し指の具合を確認する。

そう、ナナバは一般の女性とは違うのだ。端的に言えば強い。下手したら適当な男よりも格上だろう。


「大丈夫だ、信じてくれ」

(これは…、本当に真面目にしないと無傷ではいられないな)


冷や汗一つに気付かず、肩幅程に広げたエルヴィンの両足に挟まれるように立つナナバ。
そっとショーツを差し出してやれば、片足ずつ静かに通していく。


「もう…、なんでこんなことに…」

そうぽつりと呟きはするが、抵抗はしない。

気付けばすっかりと上がりきったそれは、ナナバの尻にフィットする。
本当に、サイズ確認もせずにエルヴィンが一人で選んだのか?と言いたくなるほどにぴったりだ。


そんな上下白の下着を身につけたナナバを、ベッドに腰掛けたままのエルヴィンは後ろから引き寄せる。

背中から抱きしめられる形でナナバも同じように腰掛けた。
お互いに、胸と背中、それぞれがじんわりと温かくなっていく。

(まさか、誰かに着けてもらうなんて…)

(でも…エルヴィンだから…)

背中越しに感じるエルヴィンの体温に、ナナバは次第に落ち着いていく。

(……うん、エルヴィンでよかった)





(それにしても、これ)

やはり、当分はこの着け心地に慣れそうにない。

(気持ち悪い、とかじゃないんだけどね)

指先でそっとブラジャーの縁を撫でてみる。

(…恥ずかしい。見えないってわかってるのに…)





「心配?」


「え…ううん、大丈夫。ありがとう」





「ナナバ。一つ、提案がある」


「なに?」


「これから毎日、答え合わせをしよう」


(何だろう、すっごく嫌な予感がする……)


今日何度目かの、ナナバの勘。


「何色の下着を身に着けているか、私が当てるんだ」


「………は?」


「君は毎日下着をつけることによってそれに慣れ、私は日替わりで可愛い君の、可愛い下着姿を見ることができる」

エルヴィンはうっとりと目を細め、ナナバの頬を撫でる。


「素晴らしい…、これでもっと毎日に彩りが増す。お互いに」



「エルヴィン、それはもう決定事項…?」


「勿論」



今日何度目かの、満面の笑み。



(だめだ、無しにはならないし、できない…。だって)


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