第5章 check the answer
エルヴィンに背を向けたナナバは、纏っていたシーツをそっと滑らせる。
「あぁ…、きれいな肌だ」
「見ないでって言いましたよ、団長?」
「すまない。さ、少し腕をあげて」
言われるがままにナナバが腕を上げれば、ブラジャーを持ったエルヴィンの両手がその隙間に差し込まれる。
「ここに手を通して」
肩紐に手から腕を通していけば、徐々に近づきナナバの胸にそっと宛がわれる。
初めての感触に、彼女の体が僅かに跳ねた。
「くすぐったい…」
呟かれた一言に、思わず胸を撫でそうになるエルヴィンだが、そこはぐっとこらえる。
(中々に刺激的だな。気を抜くとどうなるか…)
エルヴィンの目の前にはほぼ全裸のナナバ。シーツが腰回りでドレープを描いているが、それでもその下で、彼女は素肌を晒している。
そして、時折指先で掠めるその肌は、相変わらず滑らかで。
(本当に、いくらでも触れていられる)
…勿論、今はすべきではないが。
思わず全身を撫でまわしそうになるのを堪えつつ、背中側でホックを留める。
最後に肩紐を整えてやれば、ナナバにとっての初めてがまた一つ増えた。
「これ、しないとだめなの…?」
「あぁ、勿論。慣れるまでは大変かもしれないが、しないのはだめだよ」
「しかし、私と"する"直前ならしなくてもいい。私だけが見るなr、あ、いた、痛たた」
「余計なことは言わなくていいから。それ貸して」
手の甲をひねり上げながら、振り返ったナナバが見るのは揃いのショーツ。
さすがにそれは、自分ひとりでも穿ける。
「だめだ」
「だめじゃない。一人でもできます」
「誰かに穿かせてもらったことは?ないだろう?だったら私がする…!」
だめだこのオジサン…
またもせり上がってくる一言を飲み込み、今回ばかりは諦めたナナバは静かに立ち上がる。
そして背中を向けたまま、エルヴィンへと告げた。
「変な事をしたら…」
「…したら?」
「〆ます」