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まったりの向こう側

第5章 check the answer



エルヴィンは薄桃色の袋を手に取る。

脱ぎ切ったナナバもまた、その裸体にシーツを巻き付けエルヴィンの隣に座る。
彼女が覗き込んだ袋の中には、先程も見た色とりどりの下着が。


「………」


「これは最初の。そうだな…水色なんかは涼しげでいいいと思うが、気になるものはある?」


「……これ」


ナナバが指差したのは、真っ白な下着。

上下ともに純白、装飾には控えめだが同色の可愛らしいレースがたたいてある。


「よし、後ろを向いてごらん」


「や、自分でやるから!エルヴィンこそ後ろ向いてて(何とか誤魔化して…)」


そう思って然り気無く頼んでみるナナバ。が、この一言に、エルヴィンの目がカッと見開かれた。


「だめだ…!これだけは譲れない!
 君の初めてじゃないかっ!
 それを!逃す?!できない!絶対に!!!」


「……」


この上なく真剣な顔でそう告げられても、説得力がない。
なにせその手には、純白のブラジャーが握り締められているのだ。

これが調査兵団の団長か?といいたくもなる姿。



「っ、ぷ」

「あははっ!エルヴィンは本当に、変態だ…!ふふっ」


(ようやく、笑ってくれたか)


はたして、その真剣な表情は素だったのか?
それとも…


「ほんと、エルヴィンってば…ふふっ」

「ごめん。こんなに笑って」


「いやいいよ」


結局のところ、どちらでもいい。

ナナバが笑ってくれた。そのことがエルヴィンにとっては何よりも重要なのだから。

肩を揺らしてひとしきり笑えば、涙を拭いながらナナバが背をむける。


「…恥ずかしいから、あまり見ないで」


「わかった、努力しよう」


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