第2章 Please give me...
「…ナナバ」
「なに?」
「いや、その…」
珍しく言い淀むエルヴィンに、ナナバは思い付いた質問で返す。
「シャワー浴びてくる?」
「大丈夫だ」
ちらと、エルヴィンはベッドを見やる。
ついでに何も身に付けていない自身の下半身も。
(どちらも、汚れてはいない…、…っ)
当然だろう。
何しろ、ナナバが全て飲みほしたのだから。
「まだ時間大丈夫なら、ほら、休んで」
「あぁ、…そうさせてもらおう。ありがとう」
今また二人、ベッドへと横になる。
エルヴィンはナナバの腰を抱き、ナナバはエルヴィンの胸元に手を添える。
程よい距離感と、穏やかな時間。
「ナナバ…」
「……」
「すまなかった。あんなこと」
「…ご褒美に、なった?」
「あぁ、これ以上ないくらいのご褒美だよ」
エルヴィンがナナバを抱きよせれば、丁度彼女の頭のてっぺんが鼻先にふれる。
(いい香りだ。石鹸の…)
「……」
「エルヴィン?」
「…すぅ…」
「お疲れ様、本当にいつもありがとう」
「おやすみ」