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まったりの向こう側

第2章 Please give me...





(っと、丈は…)



所謂"萌え袖"になっている両手をシャツの裾に添えてみる。



(やっぱり長いや)



すっぽりとはいかないが、穿いていなくても見える心配はなさそうだ。

そもそも、ここには自分しかいないのだから何も気にする必要などない。

だがしかし念の為、と、暗さにもすっかり慣れた目を何度か瞬かせてはしっかりとカーテンを引いた。



次に、ナナバは文机にきちっと納められている椅子を少しだけ引き出す。





…と、躊躇なくズボンを脱ぐ。



「んぁ……、楽ちん…!」



片手に脱いだばかりのそれを持ちつつ、両腕を高く突き上げ思い切り伸びをする。

正直、はしたないと言われればそれまで…

だが、エルヴィンの自室に来てからというもの、彼女には妙な開放感があった。



(好きにって言ってたし…)


(いいよね?)


(いないエルヴィンが悪いんです!)



軽く畳んだシャツとズボンは、椅子の背もたれに。



(さて、そろそろ…)



ぼすっ



勢いよくエルヴィンのベッドへと腰掛ける。

スプリングが大きく軋み、何度か体が跳ねた。



(案外普通…。私のより、ちょっと大きい位?)



軽くぽんぽんと叩いて布団の感触を確かめれば、そのままするりと潜り込む。



(これくらい…、いいよね)


(連れていってもらってたら、一緒に…)


(いやいやいや、まさか)





寝返りと共に、枕に顔を埋めてみる。










(………ん)



(なんだか、いい匂いがする…)



(ふぁ……)



(もう…眠くなってきた…)



(これ…、エルヴィンの、匂い…だ…)





「…エルヴィン…」










「…すぅ……」






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