第13章 たまにはいいでしょ?
「エルヴィン…」
「ん?」
「…好きだよ…」
たった一言で、生まれてきてよかったと思わせるなんて…君は凄いな。
「ナナバ」
伸ばした両手は拘束されたまま。だから触れることはできても抱き締めることはできない。
今すぐ抱き締めたい、そのまま突き上げて君と気持ちよくなりたい。最後まで中でシたい。
「ごめん、これ」
俺の言いたい事が伝わったのか、優しくほどき解放してくれた。これで君を抱き締められる。
ゆっくり起き上がると、イイ所にあたったのか『んっ』と小さく可愛らしい声が漏れた。そのままナナバを抱き締める。君も俺を抱き締めてくれる。あ、対面座位…久しぶりだ。
「傷…あるでしょ」
「そうだね」
でも女らしくないなんて、思わない。細い体に滑らかなライン。特にこの脇の下から腰にかけてが好みだ。それからお尻。引き締まった小ぶりの尻も俺好み。ないないと言う胸だって、ちゃんとあるよ?前から触ってもよし、後ろから触ってもよし、控え目に膨らんだそこに俺はいつだって触れたい。
「いい、かな?」
「うん…
最初、は、ゆっくり…」
「分かった」
ぎゅっと抱き締め直しては、軽く一突き。
「んんっ!!」
だめだ。
ごめん無理だ。
中気持ちよすぎて。俺にしがみつく君がいとおしくて。
「ナナバ、ごめん…」
俺の肩に顔を埋めながら、ん、と小さく頷く。俺はそれを合図に突き上げる。何度も何度も。
「あ、あっ!あぁっ!」
きっと何かから逃れようと、君は大きく背を仰け反らせた。肩に添えた両手は指先が食い込むほど。いいよ、そのまま裂いてくれ。君の痕を残してくれないか、俺に。
「んぁっ、はっ、あぁ!
エルヴィン、エルヴィンっ!!」
「ナナバっ!」
突き上げる俺と、上下する君の腰。繋がったところは混ざりあったモノでぐちゃぐちゃ。
「っ、エルヴィン、もっと…!」
「!!」
そんなこと言われたら…
もう、最後までとまれない。
大丈夫、しっかり君を支えているから。
君も、俺を離さないで。
「あっ、あんっ!っ、エルヴィンっ!」
「ナナバ、ナナバっ!」
お願いだ。
何処にも、行かないで…
「っ!あ、あぁっ!!!」
「くっ!」
あぁ、ほら、一番奥で混ざりあった。
なんて幸せなんだろう。
君も、幸せかい…?