第12章 オアシス
きし、と音を立てたのは、丁寧な装飾と、使い込まれて綺麗な飴色になっている衝立。
「待って、まだ着てなくて」
「そのままでいい」
エルヴィンは衝立の内側を覗きこむと、逃がす間など与えず抱きすくめる。
「…エルヴィン…」
たったそれだけのことで、
体の奥がじんと疼く。
「ん…」
普段なら、滅多にしないのに。
暗闇のせいか
それとも下着姿であることが、ナナバに羞恥を忘れさせたのか
控え目に、でも大胆に
エルヴィンの唇を食み、
自ら舌を差し込んでいく。
「ん、んん…」
気付けばしっかりと絡まりあい、何かの生き物のように動いてはお互いのいいところを刺激しあう。
そうしていればあっという間…
とろとろと溢れては、茂みを濡らすたくさんの蜜。
「…ん…、…ちゅっ…、エルヴィンっ」
口元とソコの濡れる感覚に、たまらずナナバは全身を擦り付けるように抱きつく。
そんな姿に、エルヴィンはお返しに…と、優しく背中を擦ってやる。
「相変わらず、可愛いね」
熱い吐息を含んだ呟きと共に、エルヴィンはナナバを抱き上げ、衝立の外へと連れ出した。