第1章 君の初めてで慰めて
「…いい、かな?」
「ふ、ん、ゆっくり…、ゆっくりして」
「あぁ、わかった。きつかったら教えてくれ」
再び、探るように、労わるように、ゆっくりと動き出すエルヴィン。
「あ、あ、…ん、…はっ、んっ」
「はっ…あぁ、熱くて、狭くて、…ん、ふっ、ん」
「ふ、…あっ、ん、…ぁ、あん!」
「…大丈夫、かい?」
「だいじょ、ぶ、だけど…っ、…はぁ、はっ」
ナナバはエルヴィンの背に回していた腕を解くと、シーツを強く握り締める。
「……?どうした?」
「このまま、だと、背中にっ、…あぁ!」
背中…、つまり、爪を立てれば傷をつけてしまう。それを心配してナナバは腕を解いた。
初めてのことで精一杯だろうに、エルヴィンを気遣う彼女のその優しさに思わず反応してしまう。
「ぁ、おっきく、なった…?」
「…君が、優しいから」
そう言ったと同時に、エルヴィンの動きが早くなる。
…ナナバを気遣わねば。
そう思いはしても、止められそうにない。
「あ、あぁぁっ!ダメ、そこだめっ…、あ、もう、何かっ、んぁ…!変、だから…!」
「んっ、ここ、かな…?
はっ、はぁ、っ、あぁ…
君の中…とても気持ちいいよ、ナナバ」
名前を呼ばれ、ナナバのソコが反応を示す。
エルヴィン自身を締め付ければ、既にたっぷりの蜜を滴らせながらも、さらに溢れさせてはシーツに染みを広げてゆく。
「も、もうっ、んん…、ぁっ、ん!」
「ほら、腕をこっちに、…このままだよ?」
「ふっ、ん、だめ、ひっかいちゃう…、ぁ、から!」
「そう、してほしいんだ…、んっ、君をもっと、感じさせて、くれ」
さらに速度をつけたエルヴィンから与えられるのは、大きな快楽の波。
自分はこれからどうなってしまうのか…?ナナバに不安が押し寄せる。
しかし、どうしたらいいかなどわかるはずもない。ただただ、どうにもしようがない感覚を逃がそうと、エルヴィンの背中に爪を立てた。