第1章 君の初めてで慰めて
エルヴィンはナナバの髪にキスを落とす。
ナナバもまた、エルヴィンの後頭部へと手を滑らせその金糸のような髪を撫でる。
「ナナバ」
「…はい」
「頼む、もう一度…、名前で呼んでくれないか?」
「…、…エルヴィン?」
恥ずかしいのか、僅かに語尾が上がってしまう。
「あぁ…」
エルヴィンは抱きしめる腕に力を込め、同時に自身の腰を強く押し付ける。
「ナナバ、俺を受け入れてくれ」
俺?久しぶりに聞いた。
そう言おうと口を開くが、ナナバの声は嬌声へと変わりエルヴィンの耳へと届く。
「あ、あぁぁっ!!!」
「はっ!……く、キツい、な」
気付いた時には、既に深く穿たれていた。
熱く狭いナナバのそこは、エルヴィンでいっぱいだ。
「すまない、つい一度に…、大丈夫かい…?」
「んん、だいじょ、っぶ、だと、思う…。
ぁ、その、よくわからないっ、から」
「…辛かったら、すぐに言うんだよ」
エルヴィンがゆっくりと腰を前後すれば、その動きにあわせてぬちっぬちっという音が聞こえてくる。
「あぁ、ぁっ、いっ、たぁ…
んんっ、や、ぁっ!」
「ほら、ゆっくりと、深呼吸して。
…しばらく、このままでいよう」
あぁ…、何も考えずに、ただただ動きたい。
しかし、相手は初めて。
正直ぎりぎりな理性ではあったが、なんとかエルヴィンは自身を押しとどめる。
「…ふっ、ん…、はぁ……」
「……」
ナナバの髪をそっと撫でながら様子を伺えば、動きを止めているお陰か彼女の呼吸は整ってきたようだ。
「……指より…大き、ぃ…」
「ふ、そうだな…。流石に指よりは、な」
初めてらしい素直な感想に、またほんの少しだけ覗かせた余裕に、思わずエルヴィンの口元は緩む。