第1章 君の初めてで慰めて
艶のあるそれは、エルヴィンをさらに深くまで誘う、どこまでも淫らな色。
とうとうそこに舌を差込めば、中のソレを掻き出すようにして啜っていく。
ごくりと飲み込めば、その音はナナバの耳にも届き、彼女の頬はさらに赤みを増した。
「ん、だいぶ…。おや、また溢れてきたな」
「もう、やだぁ…」
「そうだな、もうしないよ。ここでは」
トントンと人差し指で軽く唇を叩けば、その指をナナバのそこへと差し込んでいく。
「!?」
「…痛い?」
エルヴィンの太く節くれだった指が、徐々に徐々に、探るように奥へと進んでいく。
「あ、やっ、だ…ん、なんか、ヘン…な、感じが!」
指が根元まで入ったところで軽く出し入れすれば、泡だった水音が聞こえてくる。
「ほら、聞こえるかい?君の音だ」
「も、やだ、やめて…」
ぽろぽろと涙をこぼしながら、シーツを握る手に力を込める。
エルヴィンは指を抜くと、安心させるように、ふわりとナナバを抱きしめた。
「聞かせてくれ。怖いか?」
「……怖い」
ナナバは素直に打ち明けると、エルヴィンの広い背に腕をまわし、まるで縋りつくように抱きしめ返す。
「…私が、怖いか?」
その一言に、ナナバの涙が止まった。
ふるふると首を振れば、エルヴィンの背をそっと撫でる。
「貴方は、怖くない…怖いわけ、ない」
「私が、おかしかったりしたらって…こんなんじゃ、って思われたら…。がっかりさせたら、と、そう思うと怖い」
「思わないよ」