第8章 1014
「…ん、あれ…」
「あぁ、目が覚めたね。
体は辛くない?大丈夫?」
「うん。あの後、私…どうなって…」
あの後…
後ろから、立ったまま、最後まで中で。
それから、ベッドで何度もした。
何度も、中で。
何度も何度も。
そう教えてやれば、みるみると顔が真っ赤に染まっていく。
「そ、そうだったんだ…その、私…」
「あまり覚えていない?」
「うん…」
そう言っては、真っ赤な顔を隠すように、シーツを頭まですっぽりと被る。
いつ見ても、何度見ても、可愛い仕草。
「すまない、あまりに気持ちよすぎて…
その、中でその瞬間を迎えるのが、ね。
だから、ついやりすぎてしまった…」
「ううん、謝らないで。その、何て言うか…」
私もだよ。
そう、小さく呟いた君。
どうしてまた、そんな……
「君は優しいね。いつもいつも、本当に…」
だってそうだろう?
また俺の欲しい言葉をくれた。
俺に、俺だけに。
「エルヴィン…、…くっついていてもいい?」
「勿論。さ、もっとこっちに。寒くない?」
「うん、平気。ありがと」
抱き締める手を取り、君が導く。
「ナナバ…?」
そこは、へそよりも少し下の…
「エルヴィン、ありがとう。
初めてを私にくれて」
「あ、いや…どういたしまして…」
あぁ…情けない声が出てしまった。
何しろ不意打ちに弱くてね。
しかも、初めて尽くしだったから…
まったく、君には敵わないな…
ん?
初めて…
初めて…、……!
「君も初めてだろう?中に出されるのは」
「ぁ!?も、何でそんなはっきり!」
「…嬉しいよ、また君の初めてを貰うことができた。ありがとう、ナナバ」
君と、繋がれた。
君が知っているのは俺だけだ。
君を、手にいれた。
君は俺の可愛い奥さんだ。
君と、歩いていける。
これから先ずっと、ずっと…。
こんなに嬉しい誕生日になるなんて。
ナナバ、俺を選んでくれてありがとう。