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まったりの向こう側

第8章 1014



もう、またお礼を言ってる。

私だって言いたいのに…

ほんと、優しいんだから。
むしろ優しすぎると思う!
でもそんなところも、魅力なんだよ。



「ね、エルヴィンは男の子と女の子、どっちがいい?」



「え!?あ、いや、その……」



「くす。顔、真っ赤だ」



添えられたままの手。
大きくて、あたたかくて、優しい手。

重ねた私の手よりも大きくて、はみ出ちゃう。
だから、両手で包み込む。
これならちゃんと、全部になるから。



「いつ、どうなるか、分からないけど…」



そう、分からない。何も。

だって…この世界は余りにも残酷で。

でも、それでも…
こうしているとね、不思議と大丈夫って思えるんだ。



「私の全部を、エルヴィンにあげる。
 だから…、一緒にいてくれる?」



「あぁ、勿論だ。
 君は俺のもので、俺は君のもの…
 他の誰のものにもならないよ」



「ありがとう、エルヴィン。…ふふ」



「ん?」



「エルヴィンの誕生日じゃないみたい。
 だって私が貰ってばかりだから」



「そんなことないさ、俺も沢山貰ったよ。
 今も、今までも…
 ……これからも、ね?」



「うん…!」





神様…

こんな時だけお礼を言うのは、自分勝手かもしれないけど。

でも、それでも……



エルヴィンに会わせてくれて、ありがとう。



私の大切な人。

誰よりも大切な人。

私を選んでくれて、ありがとう。



エルヴィン、大好きだよ。



















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