第8章 1014
欲しい。
純粋にそう思う。
だって、そうでしょ?
欲しいと思っても、おかしくないカンケイでしょ?
「エルヴィン?」
「っ、すまない。流石にそれは、その…
まだ早いというか…何というか……」
「エルヴィンは嫌?私は、嫌じゃない。
もしそうなれたら…嬉しいから」
捲し立てるように、思っていることを一気に伝える。
それでも、何かを考え込んでいるの?
…ごめんね、ちょっと意地悪な質問。
「エルヴィンは、誰かの中で出したことある?」
「なっ!?
突然何を言うんだ、こんな時に!」
「そうだね、こんな時だね。
…ん…、新婚初夜?なんて」
手を伸ばせば触れられるところにある、婚姻届。
朝になったら、一緒に出しにいこうね。
「どうして、そんな事を聞くんだ…何か君を不愉快にさせることを言ったか?」
「…教えて。したことある?」
「ない。断じてない。
お願いだ、信じてくれ」
ごめん…分かってたんだ。
エルヴィンはそんな事しないって。
でも、そっか…、よかった。
「うん。だからね、エルヴィン。
エルヴィンの初めてを…私に頂戴?」
「っ、ナナバ…!」
「あ、あぁっ!
んあっ!っ奥、奥に、あたって、ぅん!」
「君は、どうしてそんな…
俺の欲しい言葉ばかりを…っ!」
エルヴィンが動くのにあわせて、踵が浮く。
何だか、空を飛んでるみたい。
頭も体もふわふわして…
ダメ、気持ち良すぎて何も考えられない。
「あぁ、ふっ、イイ、すごく気持ちいいよ…!」
「ナナバ…本当に、くっ、いいんだな?」
「ふっ、…うん、っ、一番奥で、…してっ」
それからは、ただただずっと気持ちよくて。
多分、一番高いところまで飛んでいったんだと思う。
目の前で何かが弾けて、全部真っ白になって…
今まで感じたことの無い温かさが、身体中を満たしていったんだ。