第8章 1014
自分でも驚いてる。
だってこんな恥ずかしいこと、今まで言ったことなかったから。
でも今は、どうしても…
「ナナバ…やはり、無理をしているんじゃないか?」
「違う、そうじゃなくて」
ほんの少し背伸びをして、エルヴィンの耳元へ顔を寄せる。
「ん…、ちゅ」
…耳たぶ、ちょっと熱いね。
「はぁ……
もう、ベッドまで…我慢できないんだ」
「!!!」
エルヴィンの肩越しに、整えられた真っ白なシーツが見える。
十歩も歩かない距離にある、ふかふかのベッド。
こんなに近くにあるのに…
でも、だめ。
どうしても我慢できない。
私、おかしい…?
「ここでして。お願い」
「しかし…」
「お願い…今すぐ、エルヴィンが欲しい…」
恥ずかしいことだなって、そう思う。
でも、いけないことだとは思わないから。
エルヴィンのソコに、私のを擦り付けて…
「ナナバっ!!」
怒ってもいい。
そうやって、叱るみたいに…もっとしてくれたらって、そんな事を考えてしまう。
「んっ、…はぁ、…ぁ…」
「やめ、ないか…、くっ…」
でも、エルヴィンは優しいから。
その証拠に、ほら、怒ることも引き離すこともしない。
それどころか、さっきよりもきつく抱き締めてくれてる。
「エルヴィン…だめ?」
「ダメだなんて、そんなこと……、…っ!」
「あっ!」
腰を引き寄せられて、強く突き上げられた。
勿論、直接じゃない。
それでも、服越しでも…確かに感じる。
「…っ、…ナナバ。
無理だけはするんじゃない。いいね?」
「うん、分かった」
本当に、エルヴィンは優しいね。
…大好きだよ。