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一人だけど、独りじゃない

第2章 学校へ行こう


「林さんは、気を失う前何を見たのか、覚えてる限りでいいので教えて頂けますか?」
『は、はい・・・』

恐らく、本当の私の年齢よりも年下の泉の雰囲気に飲まれ、かしこまった様に背筋をのばし、気を失う前に見た謎の生物の事を話す。

「…そうですか…では、これは見えますか?」

宙に手を上げる泉。
その手に、まるで氷の箱の様な物が現れ、驚きに目を見開く。

『…これは…映画でよく見るモノグラム映像と言うものですか???CGですか??』

最先端技術かっっっ!!!

と驚き狼狽える在音

「…やはり、創一郎さんのおっしゃられる通りの様ですね…」
『えっ…どういうことですか?』

少し眉間に皺を寄せ創一郎へと、視線を移す泉。
不安げな表情を浮かべ、同じく創一郎を見る。

「いやぁ、在音さんは、どうやら普通の人間が見えない物が見えるみたいなので」

相変わらず優しい笑顔を浮かべながら在音を見る創一郎。

「どうやら、異界士の素質を持っている様なんですよ」
『えぇっ?!』
「おそらく、ここに来るきっかけとなった妖夢の影響と考えるのが自然かと思います。」

そう言って在音を調べる様に不信感を宿した目で見る泉。

「どの様な異能を持ち合わせるのか、本当に異界士なのか、どのぐらいの力なのかは解りません。この地域の異界士をまとめる名「では、彼女を保護した林家が、責任をもって彼女を監視致しましょう。」

全ていい終わるのを前に、かぶせるように口を開けた創一郎。
その表情は変わらず、ただ纏う空気は誰にも文句を言わせない迫力があった。
そんな創一郎の空気に、少し険しかった泉の表情が和らぎため息を一つつく。

「分かりました。あなたには敵いませんね」
「いやいや、何をおっしゃいますやら」

先ほどの空気が一瞬で消え、和やかな空気に変わる。
少し置いてけぼりを食らった在音は、ただ二人のやりとりを見守っていると、創一郎と視線が合い、にこりと笑う。

「そうと決まれば転入手続きが必要ですね」
『えぇ?!本気だったんすか?!』
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