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一人だけど、独りじゃない

第2章 学校へ行こう


「・・・確かに。」
『でしょう!!!』

なぜか得意げになる在音だったが

「?!」『あっつっ?!』

突然、手に持って居た免許証が熱を帯び、青白く光る。
驚きと熱さで、思わず免許証から手を離すと、重力に逆らえず、テーブルの上へと無機質な音を立てて落ち、光と共に免許証は消えた。

「今のは・・・一体・・・?」
『っ?!保険証は?!』

あわてて、もう一つの身分証名称を確認すると、さっきまであった財布の中から消えていた。
身分証もなく、身寄りも恐らく無く、ダレも自分を知らない世界に、一人ぼっちとなってしまい唖然とする在音。
そんな在音の頭を、ぽんぽんっと暖かく優しい手が触れる。

「安心してください、貴方をこのまま外に放り出す程、私は冷徹な男ではありません。
それに、あの現象を目の当たりにした以上、貴方を放っておく事は立場的にもできませんし・・・。」

優しく微笑む創一郎に、涙がこみ上げそうになった。

そこから先ほどの現象を踏まえ、創一郎の見解を聞くと、どうやら私は、何か特殊な妖夢の力で、別次元の世界からこの世界へと、送られた可能性があるとの事。
若返り現象は、それの影響によるものだろうとの事だった。
身分証明書が消えたのは、異次元での証明書となるため、消えたのだろうという事だった。
もっと詳しく調べるため、林家の同盟家である名瀬家に協力を頼み、色々調べてもらう事に。

「恐らく、16〜17歳ぐらいかと思われます。」
「じゃぁ、学校に通わないといけないですね!」
『・・・なんでそんなに嬉しそうなんすか?』
「いやぁ・・・ある日突然女子高生の妹が出きるなんて素敵じゃないですか」

にこにこと優しい笑顔で、冗談なのか本気なのかわからない事を言う、古くから続く呉服屋の若旦那事、異界士界でもその名を馳せる、林家の当主 林創一郎。

「後一つ、これは林さんにお聞きしたいのだけれども・・・」

そういって艶やかな黒髪を方まで伸ばした女性、名瀬家次期当主、名瀬泉は在音をまっすぐと見つめて静かに話す。
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