第3章 部活に入ろう
え?何なの??何なの???何か問題あるの?!
ぐるぐると思考が回るが、混乱して全然状況が読めない在音。
そんなことはお構いなしで博臣は詰め寄って来る。
そこってどこだ?!創一郎兄さんの名前しかちゃんと言ってないけどそこなのか?!
そこなのか?!
取り敢えず、要求されてる内容は何と無く把握できたが、意図がわからずに更に混乱する。
博臣の表情を見て見たが、何を考えてるのかわからず、おどおどしながらも口を開く。
『えと……創一郎兄さん…?』
「!!!」
完全に眉毛は綺麗な八の字を描き、伺うように首をかしげる在音。
『えっ?』
天気の良い昼下り、秋晴れの青空が広がる屋上で、在音の足元にひれ伏す博臣の姿がそこにはあった。
『えええええええ?!えっ?!どうしたんですか??えぇっ?!なんで?!えっ?!』
思いもよらぬ事態にMAX困惑の在音。
ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ
まさにこんな状態。
『だっ、大丈夫ですか?!気分悪いんですか?!』
「……い」
『へ…?』
わたわたとしながらも、ちょっとそばに駆け寄るのは何だが怖く、少し離れた場所で博臣に呼びかける在音。
その呼びかけに答える様に、小さくつぶやくが聞き取れず聞き返す。
「…い」
『え??』
「いい…!!!」
『うぇえ?!』
拳を握りしめ、勢い良く立ち上がる博臣に、声を聞き取ろうとジリジリと距離を縮めて居た在音は、驚きのけぞった。
「お兄ちゃん、兄貴、お兄と…兄を呼ぶ呼び名は数あれど、兄さんというチョイス!!!中々にしていい!親しみももちつつ、兄への尊敬や憧れがうかがえる実にいい呼び名だ…」
噛みしめる様に、頬を少し染めながら熱弁する博臣。
こいつ…なんだ?!
呆気に取られるも、内心不審者を見る様な眼差しを向ける在音。
そんな事は知らず、博臣は持ち前の整った顔をきりっと整え、在音を見
「気に入った」
と無駄にイケメンオーラを出して言った。
その笑顔を見た在音は、何だが厄介な人と、関わってしまったと本能で感じ、疾風のごとく立ち去ろうと背を向けた
『ぬわっ?!』
が。