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一人だけど、独りじゃない

第3章 部活に入ろう


冷めた目で本日二回目の台詞を聞く。

「それについては、全面的に謝らざるおえないが、この眼鏡女子を見て、写真に収めない手はないだろ?!」
「意味がわかりませんっ!」
「あ、でも栗山さんの方が断然メガネをきこなしてるよ!」
「ふっ不愉快です!!!」

ぐっと親指をつきたてウィンクをする秋人に、真っ赤な顔でプンスカと怒る栗山さん。
ぽかぽかと秋人にその拳をぶつけるが、愛くるしさしか無い。
その状況に、秋人の顔が完全に変態と化している。
一通りぽかぽかと拳を振るうと美月の方を見る

「お知り合いですか?」
「いいえ・・・彼女も異界士なのよ。」
「異界士・・・・?」

一気に栗山さんの表情が引き締まる。

「また・・・・大物妖夢が現れたりするんですか?」

本日2回目の質問である。
まぁ、確かについ最近【虚ろな影】と対峙した身としては、少し敏感にもなるか。。。
そう思って一つため息をついて、口を開こうとすると

「いや、俺も同じ質問を泉姐さんにしたが、今回は妖夢とは関係なく、林家の事情らしい」

見た目だけはまともなのに中身が残念な兄、博臣が口を開いた。

「俺も話だけは聞いてたが、顔を確認していなかったな…」

と再び秋人の携帯ディスプレイに目をやり黙る。
少し黙った兄に怪訝な顔をしたが、まぁ、この兄に関しては、あまり深く考えたところで時間の無駄な事が多いため、すぐに微妙な表情をしている後輩の方を見る。

「まぁ、そういうわけだから、安心なさい。」
「そ、そうですか…」

小さく安堵の表情を浮かべ、微笑む栗山さん。
その栗山さんの表情が、昼間に少し話をした転校生、林 在音と被った。

「ただ…少し気になったから、この文芸部に勧誘をしておいたわ」

少し視線を落として言う美月。
異界士の家絡みで、いい話なんて聞いたことが無い。ましてや名家と呼ばれる林家だ、何かありそうだと思うのが普通である。
そんな美月の心配を他所に、目を輝かせる人物が一人。

「おぉ!!やるじゃないか美月!!」

言わずもがな、秋人である。
こんな変態が世にも珍しい、人と妖夢の間に生まれた存在。
不死身の半妖とは、世も末だと今日、二回目の絶対零度の視線を向けた。
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