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一人だけど、独りじゃない

第3章 部活に入ろう


転校初日の昼休み、黒髪の美少女こと、名瀬美月に呼び出された在音は、彼女と人けの少ない渡り廊下に来ていた。

な…なんだろうか…??

内心はビクビクしているが、表に出さず、美月の動きをまって見る。
幾分かして、ずっと在音を見つめていた美月は、制服のポケットから、一枚のカードを取り出した。

「これ、泉姉様に渡す様に言われたの」
『泉さんから…?何のカードですか?』

すっと差し出されたカードを受け取り、まじまじと見る。

『異界士…証???』

身分証明をする物が無くなって、放心状態だったからなぁ…
気を遣って、早めに発行してくれる様に言ってくれたのかな??

と思いつつ、眉間にしわを寄せて居た、彼女の顔を思い出す。

「確かに渡したわよ」
『あ…ありがとうございます、泉さんによろしくお伝えください』

色々な事が起こり、不安を抱えて居たが、今回のこの異界士証の早めの発行により、安堵の表情を浮かべ、頭を下げる在音
硬めの強張った表情が、少し照れた様な安心した表情に変わり、美月は驚いた。

黙ってたり無表情だと、キツイ印象を受けるけど、話してみると印象変わるわね…

新しいおもちゃを買ってもらった子供みたいに、異界士証を眺める在音。

「……ねぇ、在音さん」
『はい?』
「あなた、何処か入る部活は決めているのかしら?」

夏から秋に変わる少し寒い風が吹き、木々を揺らした。
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