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一人だけど、独りじゃない

第2章 学校へ行こう


転校生と言うだけでもけっこう騒がれるのに、時期が中途半端で季節外れっちゃ外れだ・・・ある程度の期間の注目度と質問攻めは覚悟しておかなくてはならないだろう。

と、担任教師が教室に入るのを見届けて、自己紹介から席に着くまでの動作をシミュレーションし始める。

・・・ダメだ、わからん。

自分の想像する女子高生を想像して、それを自分に当てはめてみたが、鳥肌が立つ結果となった。
結果、ちょっと高校生にしては初々しさが無さ過ぎるだろうが、もう面倒なんでいつもどおりで行こうと決意。

そもそも私、人見知りする方だしね・・・

「じゃぁ、入ってくれ」

教室から担当教師の声が聞こえ、大きく深呼吸をしてから一歩を踏み出す。
ただならぬ量の視線に心が折れてしまいそうだった。

「今日から転校することになった林さんだ。」

教卓のすぐ横まで進み、自分に向けられている視線と向かい合う。
興味津々の視線がチクチクと肌を刺し、少し顔が引きつるのがわ解った。

この注目度は・・・ぱないわぁ・・・

余りの注目度に緊張しだした気持ちを、小さく深呼吸をして落ち着かせ、口を開く。

『林 在音と申します。どうぞ、宜しくお願いいたします。』

一礼し、極力にこやかな表情を浮かべる。
普段微笑んだりした事が無いため、顔の筋肉がつりそうだ。

「それじゃぁ、林の席だが、窓側の一番後ろが空いてるんでそこに座ってくれ。」
『はい。』

学生では、一番の特等席だと思われる窓側一番後ろの席が空いているなんて、ラッキーだな

なんて思いながら、お隣さんとの挨拶もそこそこにHRが終わりを告げ、一限目の授業が始まる。
教科書は既に全てそろえられており、クラスメイトから様子をチラチラと伺う様な視線を向けられながら、4限目を迎え、授業が終わり教科の担当教師が教室を出ると同時にいっせいに人が集まる。

「どこから引っ越してきたの?」
「部活何やってたの?」

と定番の質問が繰り広げられる。
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