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一人だけど、独りじゃない

第2章 学校へ行こう


「しかし不思議ですね」
『何がですか?』
「その眼鏡ですよ。PC眼鏡はこちらの世界にもありますが」
『あぁ…』

創一郎は在音の目につけられてる、眼鏡を指差し言う。

私もびっくりだわ…まさか仕事に使ってたPC眼鏡をかけると、肉眼で見るよりもハッキリ、くっきり見えるなんて…

『この世界の事や、妖夢の事を実感するためにも、よく見ておく事には納得できますけど、くっきりはっきり見なくてもいいような気がするんですけど…見慣れない生物のオンパレードで、私のHP(ヒットポイント)は職員室にたどり着く前に0になりますよ』

ちらほらと職員室へ、学校への道中に視界に入ってくる小さな妖夢。
家を出てから何度、不意打ちエンカウントで驚かされたかわからない。

「そのうち慣れますよ、あなたが見ている全ての妖夢が悪質な物じゃないのは、あなたも感覚的に解るでしょう?」

大きくため息をつく在音の頭にぽんぽんっと手を置く創一郎。
まるで兄の様で頼りになる人だ。
そんなやり取りをしていると、いつの間にか職員室に到着。

創一郎の後に着いて、職員室の中へと足を進める。

転校にあたっての説明などを受けて、直ぐに教室へへと向かうのかと思いきや、流石は古くから伝わる旧家。
教頭直々で話が進められ、長々と繰り広げられるお世辞話しを乗り越え、担任の教師の後を着いて教室へと向かう。
創一郎は教頭の話が終わると
「いやぁ…久々に教頭先生と言う者に接触しましたが、やっぱり話長いですねぇ、寝ちゃいそうでしたよ」
と爽やかに愚痴を漏らし、颯爽と帰っていった。

私も、当時は若いから、教頭の話がわからなくて退屈で長く感じるのかと思ってたけど、リアルに長いわ…

少し疲れたかんじのする創一郎の顔を思い出して吹き出しそうになるのを耐え、気を使って話しかけてくれる担任教師に、適当に相槌を返す。

「じゃぁ、呼ぶまでここで少し待っててくれ」

教室に着いた事を知らせる担任教師の言葉に足を止める、少しざわつく教室を前に色々と予想する。
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