第6章 君の気持ち
跡部や幸村も彼女を狙っていると分かって、ボクが最初に思ってしまったことは「あの2人に勝てるのだろうか」ということだ。
跡部はあの跡部財閥の御曹司だし、幸村は全国二連覇中の立海の部長だ。
中途半端なボクには、あの2人と戦える武器がない...
それでもここまで育った恋心は、諦めるという選択は取れなかった。
それに、まだ振られた訳じゃない。
出来ることはやって、その上で彼女が他の人を選ぶとしたら...
その時は、自分の心を切り捨てよう。
そう決めて、ボクは彼女をデートに誘った。
思った以上にすんなり承諾してくれたことが、本当に嬉しかった。
嫌われてはいないと思ってたけど、割と、ボクのことを好ましく思ってくれてるんじゃないかなって、そう思えた。