第6章 君の気持ち
「手塚」
「ああ、不二か」
「昨日優衣ちゃんと、デートに行ってきたよ」
「...何故それを俺に言う」
「ふふ、ねえ、手塚は、ボクだったら彼女を任せられると思う?」
「そうだな...お前なら、アイツを傷付けたりしないだろう」
「それはもちろん。幸せにしたいって思ってるし」
「恥ずかしげもなく言うな...ただ、アイツがお前を好きになるかどうかは、俺には分からん」
「そうなの?好みとか知らないんだ?」
「知らない、というか...好きな人が出来たことないから分からないって言ってたぞ、アイツ」
「え!?」
ああ、どうりで彼女、そっち方面に鈍感なのか...
「まだまだ、前途多難だなぁ」
君にその気持ちを自覚させるのは、ほかの誰でもない、ボクだったらいいのに。