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【テニプリ】この気持ちに名前を

第4章 花


「どういう知り合いなの?」


どうしてもこの空気が耐えられなくて、ボクは2人の会話を遮断するように聞いた。


「この前病院に行った時に偶然会ったんだ」
「この前って、弟さんの通院の付き添いの日?」
「そうそう、弟の検査が長引いて、暇だったから中庭に行ったら幸村くんに声かけられたの」
「その言い方だと俺がナンパしたみたいじゃないか...」
「え、違うんですか?」
「違うよ...庭に女の子がいるのが珍しかったから、つい声をかけちゃっただけで」
「いやそれナンパですよね...」
「あれ?そうなのかい?」


ああ、まただ。
この2人はきっと会話の波長が会うのだろう。
ふたりの間に、穏やかな空気が流れているのを感じる。
そばに居るのに置いてけぼりを食らったような気分がして、胸が苦しい。


恋って、こんなにも上手くいかないものなのか。

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