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【テニプリ】この気持ちに名前を

第4章 花


「あ、優衣さん」

立海の部長、幸村が彼女を見て反応した。

え、この2人知り合いなのか...?

「ん?あ、幸村くん。体調は大丈夫ですか?」
「うん、あの日も検査しに行っただけだし、大丈夫だよ」
「それならよかったです」

ふふ、と笑う2人。
どういう関係なのか、気になって仕方がない。
というか彼女、他校のテニス部員の知り合い多いような...

「お前たち、知り合いだったのか?」

ボクが気になっていたことを手塚が聞いてくれた。
ボクも話を聞こうと、彼らに近寄った。

「優衣ちゃん、立海の部長さんのこと知ってるの?」

別に嫉妬したわけじゃない。
そう言い聞かせて、ボクは話の間に割って入っていった。

「え、幸村くん部長さんなの!?」
「え、知らなかったの?」


まあ中学2年間テニスから離れてたら仕方ない...のかな?
全国王者の立海の部長を知らないって、幸村的に結構ダメージなんじゃないかと思うんだけど...

「うん、実はね」
「いやもうそれ強いとかじゃなくてめちゃめちゃ強いじゃないですか...私なんかが話しかけていい存在じゃないですよ...」
「ふふ、俺のこと知らないテニス部関係の人がいるっていうのも新鮮でよかったよ」
「ひえぇ...ごめんなさい...」


皮肉すらも冗談だと笑えないくらいの強さを有している彼は、まるで彼女をからかうかのように笑った。

ボクはそこから、どうしても嫌な予感しか感じなかった。
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