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【テニプリ】この気持ちに名前を

第4章 花


「あはは、ごめんね、驚かせたね。俺、この庭が好きでさ、この病院に来る度に見に来るんだ」


そこに居たのは、藍色の髪をした綺麗な男の子だった。
笑った顔がとても可愛い。

「あ、はい、私も植物を見るのが好きで...コスモスがあったので、つい見入っちゃいました」
「コスモスかぁ...君、コスモスが好きなの?」
「え、まぁ...私の、誕生花なので」
「へぇ、そうなんだ...コスモスの花言葉はね、乙女の真心とか、美麗とかがあるんだよ。君にピッタリだね」
「え!?あ、えと、ありがとう、ございます...?」
「あはは、そんなに緊張しなくていいのに」


いや、初めて会った男の子にそんな事言われたら動揺もしますって!!
しかも美人な子だし...!!

「君は、どうしてここにいるの?」
「え?」

どうして...ていうのは、どうして病院にってことかな?

「あの、弟の検査の付き添いに来たんです。今日で何も無かったらこれで検査は一旦終わりらしくて、私も先生にお礼が言いたくて」
「ふぅん、弟想いのいい子なんだね、君」
「へ、いや、そんなことはないんですけど...」

怪我の原因は、私にもあるし...

「俺もね、検査しに病院に来たんだ。まぁもう検査は終わったんだけど、いつものようにこの庭に来たら、可愛い女の子がいたから声掛けちゃった」
「かわ...!?」
「ふふ、真っ赤になっちゃって」
「~~~!!」


なんだこの人!!
何でこんな恥ずかしいこと言うんだ!!
顔が真っ赤になるのも仕方ないよこれは!!

「まぁ、君が病気じゃなくてよかったよ」
「あ、いえ...お気遣いありがとうございます」
「ふふふ、固いなぁ...君、いくつなの?」
「え、と、中学3年です...けど...」
「そうなの?俺も中学3年なんだ、同い歳だね」
「え!?本当に!?」

同い歳には見えない...
凄く落ち着いてて、話し方も丁寧だからてっきり高校生以上かと思ってた...
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