第4章 花
「うん、本当。中学は神奈川の方だから、遠いんだけどね」
「神奈川からここまで通院は、大変ですね...」
「まぁ、ここは設備が整っているからね、来る価値はあるよ。君は東京の中学校?」
「あ、はい、青春学園ていう学校に通ってます」
「ああ、君、青学の生徒だったんだ」
「え、知ってるんですか?」
「うん、俺、テニスをやっててね、青学はテニスの強豪校だから知ってるよ。関東大会で当たったこともある」
「え!?そうなんですか!?」
神奈川のテニスプレイヤーさんだったのか...!
そこまで中学生テニスについて詳しくないから全然知らなかった...
「うん、君もテニスするの?」
「あ、はい、昔やってまして...今は、青学の男子テニス部のマネージャーやってるんです」
「へぇ、マネージャーなんて入ってたんだ...知らなかったな。君、名前は?」
「え?えと、手塚優衣です...」
「手塚?あの手塚国光の兄弟とか?」
「あ、いえ、従姉妹なんです」
「ふぅん、そうなんだ...。こんな可愛いマネージャーがいるなんて、青学も隅に置けないな」
「えぇっと...」
この人は、女たらしか何かなのかな...
さっきから綺麗な笑顔で可愛いとか言われたら、流石に照れるよ...!
「俺は立海大附属中学校の幸村精市。多分、近々また会う機会があると思うから...その時は宜しくね、優衣さん?」
「へ!?あ、はい...?」
綺麗な男の子...幸村くんは、そう言って病院の中に入っていった。
というか...
立海大附属中って、すっごい強い所じゃなかったっけ...?
私もしかして、凄い人と話しちゃった...?