第3章 笑顔
そして訪れた手塚さんの家。
手塚は親御さんがいないって言ってたけど、それでもやっぱり緊張する...!
ええい、ままよ!
ピンポーン...
ボクは最早勢いで手塚さん家のインターホンを押した。
『...はい』
返ってきたのは予想と違い、高い、でも男の子の声。
あ、これはもしかして、手塚さんの弟さんかな?
「あ、青学テニス部の不二です。手塚さ...優衣さん、が今日休んでたのでお見舞いに来たんですけど...」
『テニス部...?あ、はい、今開けます』
「?」
テニス部って所に反応した...?
もしかして彼女、テニス部のマネージャーになったこと、弟に伝えていないのかな...
弟さんに負い目があって、隠してるとしたら...
ボクは、もしかしてとんでもない事をしてしまった...?
ガチャ
「どうぞ」
「ああ、ありがとう」
彼女の弟は彼女によく似ていた。
特に、何もかも見透かされそうな、大きな瞳が。