第3章 笑顔
不二side
手塚さんが学校を休んだ。
十中八九、昨日の風邪だろう。
でも、今日も部活あるしなぁ、お見舞いは無理かな?
「不二~!」
「英二?どうしたんだい?」
そんなことを考えて窓の外をぼんやり見ていたら、英二がニコニコしながらボクの所に来た。
「手塚に今日優衣ちゃん休みだよ~って言ったらね~、あいつの家は多分親がいなくて1人だろうから不二にでも見舞いに行かせろ~だって~」
「は...?」
え、ボクを指名したのかい、手塚は?
というか、そんな事したらバレるじゃないか...!
「不二と優衣ちゃん最近仲良いし、いいんじゃないかにゃ~って思って、優衣ちゃんのお家を聞いてきました~!」
仲良い、くらいに留まってくれているのか、はたまた英二が鈍いのか...
どちらにせよ、バレなくて良かった...
「でもぉ~、風邪ひいてる優衣ちゃんを、襲ったりしちゃダメだぞぅ~?」
「っ!?」
前言撤回!
やっぱバレてるんじゃないか...
「そんなことしないよ...」
「うんうん!じゃあ手塚から聞いた道順教えるにゃ~」
もしかして、ボクの気持ち、部員みんなにバレてたり...する...?
いや、ちょっとそれは...
「恥ずかしすぎる...」
「ほらほらぁ~恥ずかしがってる場合じゃないぞう~」
もう少し、バレバレな態度は控えよう...
そう密かに決心した。