第3章 笑顔
「...ん......」
いつの間にか寝ていたらしい。
ああ、また嫌な夢を見ていたのか、汗がすごい。
青学の皆が認めてくれたって、許してくれたって言っても、私はまだ、弟に何も言ってない...
「いま、何時だろ...」
「18時だよ」
「18時か......え?」
誰......彰?
「手塚さん、大丈夫?」
「ぅ、え、不二くん?」
え、ここ、私の家だよね?
なんで...?
「今日学校休んでたから、風邪で休んでるのかなと思ってね、手塚に家の場所聞いて来ちゃった」
「来ちゃったって......よく風邪だって分かったね」
「まあ、昨日具合悪そうだったしね」
「バレてたか...そういや、家どうやって入ったの?もしかして鍵開いてた?」
「いや、弟さんに開けてもらったよ」
「ああ、彰にか.........あ」
もしかして...
「不二くん、彰になんて言って開けてもらった?」
「え?青学テニス部の不二ですけど...って言ったよ?」
やっぱりか...
私は弟にテニス部のマネージャーをやっていることを伝えていない。
伝えて...どういう反応が返ってくるか、怖かったから。
でもこれで、バレちゃった...かな...