第2章 彼女の傷
「...これが、優衣がテニスをやめた理由だ」
「っ...なんて非道な...!」
「これは、確かに、テニスをやめてしまっても...嫌いになってしまっても、仕方ないね」
「ああ、なのに、今でも優衣はテニスに関わっている。これはきっと、お前らのお陰なんだろう。礼を言う」
「いや...俺たちは、無理を言って優衣をマネージャーにしてしまった...優衣は、本当に、辛くないのだろうか」
「...手塚さんは、本当に部活のために頑張ってくれてる。でも、それが彼女を苦しめているとしたら...」
ボク達はなんて酷いことを彼女に...
「大丈夫だろ、アイツは嫌なことをあんな楽しそうに笑って出来るほど、器用じゃねーよ」
「え...」
「器用な奴だったらきっと昔も上手くやれてたさ、不器用で負けず嫌いなんだよ、アイツ。まぁだから俺が気に入ったんだがな」
「そう、か...」
それなら、ボク達がしたことは、本当に彼女のためになった...のかな?
それなら、嬉しい。
...というか...