第2章 彼女の傷
「それ、ボクらのデータ?」
話を逸らすように彼女の側にあるノートを指差した。
「あ、うん、皆のデータまとめようと思ってたんだけど...寝ちゃったみたい」
えへへ、と少し恥ずかしそうに君は笑った。
「君は働きすぎなんだよ...ちゃんと休んでる?」
「休んでるよ?」
「今だって寝てたじゃないか」
「それはまぁ...色々あって?」
「色々って...」
「とにかく私は大丈夫!ほら、教室戻ろ?」
「えぇ...」
なんか誤魔化された気がするけど、彼女が言いたくないならいいか。
本当に倒れそうな時は、力尽くでも休んでもらおう。