第3章 バトルバーチャルワールドで力を
マドカの言葉で何も無かった黒い空間に大きな扉が白い煙と共に浮き出てきた。マドカの支持により3人はその扉の中に入る。
"このモンスターを倒し、奥にあるバングルを獲得すればチュートリアルは終了です!"
「え!?何これ!?」
3人の前に現れたのは2mは軽く超える、3m近くのモンスター3体。
「…いやいやいや、俺たちで倒せるわけが」
「まあ、素手じゃ無理だろうね」
「ねぇ!マドカ!どうしたらいいのよ!」
半泣き状態の華楓は目の前に映るマドカに手を伸ばし訴えようとする。
「え、触れない!?」
"マドカを始め案内人は全て虚像です。触れることはできません。脳内に直接映像を流しているような感じです!"
「…よくわかんないけどとりあえずどうしたらいいの!?教えて!?」
こんなやりとりをしている間に華楓達にじわじわモンスター達が寄ってくる。
"指パッチンをしてください。メニューから武器を選択しお好きな武器を選んでください"
華楓以外の2人に付くマドカが案内を始めた。
従って竜紀と陽二は指パッチンをすると左手の前に空中に映し出したようなメニューが出てきた。
「これ完全に某作品だよな、Sから始まる」
「竜紀、これ以上言わない方が身のためだ」
メニューの中に"Arems"があった。見つけた2人がタップすると7種類ほどの武器があった。その中からお互い一つ武器を選択しタップした。すると先程まで操作していた左手に武器が出てきた。
「とりあえずチュートリアル終わらせるためなら勘でも何でも主人公になりきってやってやるっての」
自信満々に竜紀が選んだ武器は真剣。一番オーソドックスな、メニュー表示がそっくりなアニメの主人公のような、しっかりとした武器。
「もうチュートリアルが終わるならどの武器だっていいだろ」
陽二が選んだのは薙刀。
「渋いな」
「だから何だっていいだろ」
2人は持ち方を確認し握って構えた。
「いつもやってるゲームっぽくやりゃいいよな?」
「あぁ、とりあえず勘で」
「で?私はどうするの?」
自分につくマドカに華楓は言った。
"とりあえず、あのバングルを取りに行ってください"
「…手ぶらで?」
"はい"
「はああああ!?!?」