第3章 バトルバーチャルワールドで力を
「何も持たず!?武器なし!?」
"はい、2人が戦っている間にバングルを取りに行く。簡単でしょう"
「どこが!?」
「俺達が失敗したらみんな道連れってことか」
「それはまずい」
「まずいどころの話じゃないっての!」
スタートのカウントダウンは進んでいく。
"はーい、チュートリアル始まりますよ"
「ちょっと…」
"よーい、スタート!"
と同時に3体の拳が3人の上に降ってきた。
「危ねー」
竜紀と陽二はかろうじて避けた。
「木更津さん!」
「大丈夫」
するとありえないほどの跳躍力で、恐らく2m程は跳んで拳を避けた。
「何これ!?凄い跳ぶ!」
"この世界では少し重力が弱いので初期設定でも1m跳べるようになっています。華楓様の場合は脚が鍛えられてますので更に上回っているのかと…身体能力も脳を伝ってリンクしていますのでこちらの世界程ではないですが現実世界にも多少は影響があると"
「凄いね…っと!」
もう1発華楓の方に来た拳も難なく跳んでかわして見せた。
「負けてられるかよ!」
竜紀にも火がついたらしく一体のモンスターと1対1の状況になった。
「…っと」
竜紀の所に降ってきた拳を真剣を使いうまく止めた。
「確か関節の筋肉を動かせないようにするのがいいんだよな」
抑えていた拳を振り払いモンスターの死角に入ると膝裏や脇、肘といった関節を斬っていった。たちまち関節を斬られたモンスターは膝から崩れ落ちた。
「よし一体完了!もう一体相手すっからそっち頼む!」
「了解」
薙刀を使い陽二は拳を振り払い続ける。
「バングル…あそこだ」
華楓は一直線に走る。
しかし、走っている華楓に向かって先程陽二を殴ろうとしたモンスターが腕を出してきた。
決して見逃さなかった陽二は伸びていた腕を薙刀で切り落とした。
その間に華楓はバングルの元に着いた。
"バングルをはめたら1次ステージクリアです!"
「早く!」
「木更津さん!」
モンスターとの戦いを繰り広げている2人は華楓に向かって叫んだ。
華楓は恐る恐るバングルを左腕にはめた。
「何これ…」
腕にはめたバングルは青白く光り始めた。