第7章 目指すは女神の森
「にしても…遠いなぁ…」
ため息をつきながら言う華楓。そう思うのも無理はない。
ライバの面積はモンゴルと同じくらいと言われている。そのうちの北西部、北海道分の面積が女神の森なのだ。
そして華楓達の拠点であるピアセントはライバ中央より少し南に位置し、ピアセントから女神の森までは直線距離で1800kmほど。しかしそこまでに山があったり鉄道が走っていないため大回りをしなければならない。
「ライバって広いんだな。にしても交通機関とかあるんだな」
「電車、特急列車、ピアセントみたいな都会なんかは路面電車も走ってるよ。移動手段としては自転車やバイク、車もあるけどみんな大体交通機関を利用してる」
政樹は竜紀に向かって言う。正樹の話を聞いて尚更バイクなんて要らないと思い竜紀をじっと見る華楓と陽二。
「…悪かったな」
政樹は不思議そうに3人を見るが何も言わない。
「だから女神の森に向かうならピアセントでお金を貯めてから行くのをおすすめするよ」
「先が長そう…」
今の3人の所持金額を考えると当分女神の森には迎えない。それを目の当たりにし頭を抱える華楓。
「何もピアセントじゃなくてもランメルの市とか、ちょっとした仕事なら広場前の依頼掲示板を見ればあるよ。市なら俺とか恋雪に聞けば仕事紹介してやれるし」
「なるほど…」
華楓は政樹の話を聞き納得する。
「つまり当分は拠点生活ってことだな」
陽二が言う。その時思い出したかのように政樹が華楓達に言った。
「ちなみに、ライバには行きたいという意志さえあれば、寝ている時に行くことも出来るんだ。だからライバから戻ってきたらそのまま睡眠に切り替わるってことも可能なんだ」
「そんな簡単に行けるんですね」
驚きながら政樹に言う華楓。
「最も、普通は医療器具とか国家公認の危惧しでライバへ行くきっかけを作るんだけど、結構君たちがやってるやり方でもいけるんだ。あまりオススメはされないらしいけどね」
苦笑しながら政樹は言う。
「じゃあ今度から寝る時に行こうぜ」
「そうだな、その方が何かといいし」
「政樹さん、今日はありがとうございました」
「ううん、また何かあったら相談してね」
そして3人は図書館を後にした。