第2章 日常から非日常へ
「宮園くんと暁くんてカッコイイよね〜」
クラスにいた女子2人がそういいながら華楓に近寄ってきた。
「…え?」
「少なくとも二人とも顔はいいと思うんだ〜」
「わかる〜!」
何言ってるんだか、といったような目で2人を見る華楓。
「宮園くんはさ、明るくて人気者でノリよくて私たちみたいな女子ともよく話してくれるし、ムードメーカーっていうか」
「そうそう!で、暁くんは宮園くんと比べると少し控えめだけど今みたいに他人思いでクール系みたいな感じで!」
はぁとため息をついて華楓は言った。
「あのね、竜紀はそーやって褒めてるけど悪くいえばただのお調子者だからね、暁は知らないけど」
「でも2人とも何よりルックス良きじゃん?宮園くんはザ・肉食系って感じでさ、暁くんは…うーん…ロールキャベツ系?」
「あ、確かにー!」
きゃっきゃっと盛り上がっている2人に頭の中で疑問が浮かんだ華楓は恐る恐る話しかけた。
「ねー、ロールキャベツ系男子って何?」
「見た目は草食系男子って感じだけど内面は肉食系男子みたいな感じの!」
「あー、中身肉だけど外は野菜だからってことか」
「そういうこと!」
「ロールキャベツ系男子かぁ…」
ふぅんと納得したような華楓を見て調子に乗った2人は
「おっかえちゃんロールキャベツ系男子タイプですかー??」
「何も言ってないっての。ていうか暁がロールキャベツ系男子かどうかもわからないからね」
「いやいやいや、絶対ロールキャベツ系男子だって暁は」
「俺がどうした?」
女子3人で話しているところにゴミ捨てから帰ってきた陽二が教室に入ってきた。
「あ、いや、暁って優しいよねーって話を…ね?」
話を無理やり誤魔化した華楓に乗っかり2人も頷く。
「ふーん」
「あ、2人はもう帰っていいよ!あと黒板消しとかは美化委員の仕事だから!」
「あ、りょーかい!」
「お疲れーばいばいかえー」
そう言うと2人は教室をあとにした。残った美化委員の華楓は掃除のチェック表に書き込み、陽二は黒板を消しはじめた。