第2章 日常から非日常へ
「暁って他人思いだよね」
「…なんで?」
華楓は独り言のように呟いた。それに対して不思議そうに陽二は聞いた。
「だって自分からゴミ捨て行くなんて言うやつそういないでしょ?ましてや私が竜紀にお願いしたのを」
「いや、それは別に…」
「ま、いいや何でも。黒板終わった?じゃあ終わりにしよ!」
黒板を確認し、チェック表に最後の書き込みをした華楓は教室の忘れ物などを隅々チェックして
「じゃあ私、部活あるから先いくね!」
「うん」
華楓は先に教室を後にした。教室にいるのは陽二1人。
先程使っていた黒板消しをクリーナーにかける。
陽二以外誰もいない。クリーナーの音が教室を抜け廊下にも響き渡る。恐らくこの2年のフロアには他に人がいないのであろう。
そしてクリーナーをかけ終わった黒板消しを元の位置に戻す。自分の荷物を持って教室を出ようとした時思わず陽二の口から出た。
「他人思い…か…」