第7章 目指すは女神の森
番号がわかった陽二は8桁の数字を慎重に入力していく。
「入力完了、いくよ」
華楓と竜紀の了承を確認したところで陽二はエンターキーを押した。
「これが…ライバシステム…」
華楓達の目に映し出されたのは紛れもなく3人が行き来しているライバの世界についてまとめてあるサイトだった。そこにはライバの管理報告や今後の方針なども書かれていた。
「これ、私たちが見て良かったのかな…」
「華楓今更そんなこと言うなよ」
竜紀がそう言ったときだった。
「大丈夫だ」
男の人が3人に声をかけてきた。
「誰!?」
華楓は思わず大きな声を出してしまい一瞬焦る。
「そのサイトを見ていると言うことは少なくとも君たちはあちらで暮らしている住民だろ?安心しろ、俺も仲間だ」
「仲間…か…」
半信半疑の竜紀。
「あぁ、俺はライバの大学に通ってるからな」
「あ、恋雪さんと同じ!」
そういえばと思いだした華楓が声に出したのが吉だったのか
「なんだ、君たち恋雪の知り合いか。俺は恋雪と同じ学科に通っている、工業市のトップの政樹だ」
「私は華楓です。で、こっちは竜紀、座ってるのが陽二くんです」
「こんちわ」
「どうも」
挨拶にも性格がでる。
「で、君たちは何故ここに?」
政樹の問いに陽二が答えた。
「俺たち、自分の意思でライバに行ったんではないんです。そのことを恋雪さんに言ったらもしかすると女神に関係してるんじゃないかと。それで女神に会うことを提案されたんです」
「そ、でライバは国家も関わっているってことも聞いたから、ここに来ればわかるんじゃないかってね」
竜紀が補足説明をする。
「なるほど…でも何で女神に関係してると思ったんだ?」
「それは!…私が女神に選ばれたものだからです」
少しためらいながらも、華楓は政樹に明かした。
「女神に選ばれた…てことはつる草の紋章は…」
「あります。現実の世界ではお見せすることができませんが」
そうか、と少し驚いた様子の政樹だったが、すぐに話を戻した。
「そうか…それは少し気になるな…陽二、だっけ?ちょっと貸して」
政樹は陽二と交代した。