第7章 目指すは女神の森
翌日、学校に隣接している国立図書館の前で待ち合わせをしていた。
「わりぃ、遅くなった」
先にいた華楓と陽二。少し遅れて竜紀が来た。
「部活さぼってるくせに遅れてくるとはありえねー」
呆れたように陽二は竜紀に言う。
「起きたら家出る直前の時間でよ、まじ悪かったって」
「まぁ竜紀の割にはまだ優秀な方だからこれ」
いつもはもっと遅れてくる竜紀を知っている華楓は陽二に言う。
「そんなんだから女に逃げられるんだよ」
「陽二お前なんで知ってんだよ!?」
「竜紀美央ちゃんと別れたの!?」
突然恋愛トークで盛り上がる三人。
「お前らまじ人の恋愛になるとほんとテンション上がるよな…」
もうこりごりといったような顔で竜紀は言った。
「そりゃまあ…ねえ」
「あぁ」
華楓と陽二は顔を合わせる。
「もういいだろ、ほら中入ろうぜ」
途中で中断するかのように竜紀は二人に声をかけた。そして三人は図書館に入っていった。
「うわぁ広い…」
高校の図書室とは比べものにならないくらいの広さに圧巻される三人。
「え!これ19世紀の有名作家の初版本じゃん!」
「声大きいよ竜紀」
置いてある書籍も国立の図書館ということもありなかなかの者である。思わず大声を出してしまう竜紀を華楓は注意する。
「よし、じゃあ資料探してみよう!」
華楓が声をかけて本棚に向かおうとした時だった。
「あのさ、どの本を探せばいいかわかってるの?」
「あ…」
全く書籍に関して調べていなかったことを陽二に言われて思い出す華楓と竜紀。
「そうだよね、公にしてないくらいだからちゃんと調べなきゃね」
我に返った華楓は図書館内にあるパソコンに向かった。
「で、なんて調べればいいと思う?」
椅子に座った華楓は二人に聞く。
「とりあえずライバで検索すればいいんじゃないかな」
陽二は華楓に言う。
「そうだね」
ライバと検索をかける華楓。検索結果の一番上には図書館内の書籍結果が出てきたがもう一つサイトが出てきた。