第6章 能力と女神
「お前なんで知ってるんだよ?」
華楓が恋雪と話しているのを見ていつ知ったのか気になる方竜紀。
「さっきもめてた時女優先みたいな言い方してたでしょ?それに家に置いてあった新聞の切り抜きにも女尊男卑のことが書いてあったの」
「女尊男卑は確かにこの世界でも大きく問題視されていて、昔から未だに改善されない問題。最近になってようやく緩和されてきたけど、先程の方達のようにまだ女尊男卑を気にする人も多いのよ」
「なんだめんどくせーな」
この世界に馴染んできた途中で知る問題に戸惑いを隠せない3人。気になった華楓が恋雪に問う。
「でもどうして女尊男卑なんですか?」
「何言ってんだ?」
普通聞くようなことではない質問の仕方に竜紀は首を傾げる。
「だってよくある話としては男性の方が上の男尊女卑でしょ?逆ってことはなにか意味があると思って…」
「華楓ちゃんの言う通り。全てはこの世界に昔から存在する女神が関係しているの」
「女神!?」
華楓は先程服を買った店の店員の話を思い出し、また女神の話を聞いて驚いた。
「華楓お前なんでそんな驚いてんだよ」
「これがね…」
そして華楓は恐る恐る左手首の紋章を見せる。
「それは…」
女神の話を知っている恋雪は華楓の手首のつる草文様の紋章を見て驚いた。
「私も実際に紋章のある人に会ったのは初めてだわ」
「えっ何?これそんなに珍しいの?」
つい先程まで何の変哲もないただの紋章だと思い込んでいた竜紀にとって恋雪の反応は不思議でしかなかった。
「その紋章は…女神と同等の力を持つものにしかない紋章なのよ」
「他の店の店員さんに聞きました。女神族の末裔だとか、つる草文様は女神の草とか…」
「女神の末裔だったのお前!?」
驚きの連発な竜紀。華楓の言葉に付け加えて説明を続ける恋雪。
「正確には女神族の末裔になったというのが正しいわ…実際にはこの世界に来てから女神様の独断で誰に受け継がせるか決められているともいうんだけど」
「恋雪さんよく知っているんですね」
恋雪の知識に感心する3人。
「私こういうのを専攻にしていて…」
「専攻?」
華楓が聞くと恋雪はあるものを取り出した。