第5章 女尊男卑
「やる気?」
「あんたこの私を怒らせたのよ。死んでもらうしかないわね。それともこの場で土下座する?」
馬鹿にされた華楓も素直に飲み込むわけもなく
「あんたが死ぬ羽目にならないといいけど」
「よく喋る女ね」
華楓はまだ慣れないながらも能力で対抗する気で構えた。
「素手?どこまで調子に乗ってるのよ」
「調子なんて乗ってないから」
「じゃあとっとと死んでもらうわ!」
そして女の腕から振り下ろされる細剣が華楓に目がけてくる。それを華楓は素手で掴んだ。自分でも驚くがすぐに切り替える。
「女性第一に思われたい人が普通武器なんて出さないっての!」
そういうと細剣を振り払った。剣を戻された女は更にキレたように先程よりも勢いよく振り下ろしてきた。
「死ねー!」
しかし華楓は能力の空気でスッと左手を払うと風の様に細剣は切れ粉々になり剣としては全くの約立たずとなってしまった。
「なっ何よこれ!」
「まだやる?」
どっと構える華楓に怯えたのか女は刃が壊れた細剣を手からこぼれ落としてしまう。
「もっもういいわよ!行こう!」
そういった女は男の手を引いてその場から逃げ出してしまった。
少しざわついていた野次馬も引いてきた所で店員は華楓達にお礼を言った。
「皆様ありがとうございました!本当に助かりました」
「助けていただいてありがとうございます。それではまたご縁がありましたら」
男性客もひと安心したようでその場を後にした。
「別にそんな大したことじゃないですから」
「本当にありがとうございました」
華楓は店員の手を取って言った。
「私達もお肉を買いたかっただけですから…ね」
そう言って後ろにいる竜紀と陽二と顔を合わせた。
「本当…恩人です」
「明人さん!大丈夫ですか!」
すると華楓達が来た方向とは逆から恋雪が走ってきた。
「あ、恋雪ちゃん、大丈夫だよ。この人たちに助けてもらったから」
「あっ華楓ちゃん達じゃない!」
「たまたま通りかかっただけなので…」
「食品市の責任者として感謝するわ。是非お礼させて!」
お礼?といった顔で顔を見合わせた3人。たまにはいっかという感じに
「では、お言葉に甘えて」