第4章 夢と現実と異世界
カランと扉が開く音が響く。
華楓達3人は広場から1kmほど離れた不動産屋に来た。
「いらっしゃいませ、新規様のようですね。希望の部屋とかございますか?」
何もわからない3人は顔を合わせて首をかしげた。
「あの…おまかせとまではいきませんが、こういうのがいい、とかありませんか?」
恐る恐る華楓は店の人に聞く。
「そうですね、男性2名女性1名ですと結構ございます…装備はどのような感じでしょうか?」
「真剣と…?」
「薙刀」
「っす」
竜紀と陽二は自分の装備を伝える。
「新規様ということで武器も増えるかと思われますが、とりあえず長物が多いとのことですので長物専用収納がある部屋…となりますとこちらの5点から選ばれるのをお勧めします」
そう言われ目の前に出された液晶を映し出す水晶には5つの部屋が映し出された。
「これなんかどうよ?」
竜紀が指さしたのは10階ほどの高さはある部屋。
「えー、暁くんは」
「陽二」
「?」
「陽二でいい、みんな名前呼びだろ?」
「えっと…陽二…くんはどれがいい?」
慣れない呼び方で華楓は陽二にどちらが良いか聞く。
「俺はこれかな」
陽二が選んだのは広場全体を見渡せる坂道の上のアパート。
「陽二ーマンションの方がいいだろ?」
「は?こっちのほうがいいし」
2人は睨みながら言い争いになりそうになるが
「両方なし、これにする」
華楓は海沿いの景色が綺麗な一軒家を選んだ。
「家賃一番安いからね、契約金もなし、支払いは月末だからまだだし」
華楓はお金優先で部屋を決めていたのだ。
「ありがとうございます!ではこちらに必要事項をお書き下さい」
竜紀と陽二は残念そうにする中華楓は淡々と契約書に記入していく。
「よしっ」
「これで契約完了です。鍵3人分です。場所や設備などの詳細はメニューのに送りましたのでご確認ください」
最後の説明を受け3人は店を出た。
「部屋ちゃんと見なくていいのかよ?」
「どうせ異世界だからいいじゃん?」
「そこは適当なんだ」
2人は呆れる。
「とりあえずこれからここでの生活が始まるってわけだね!」