第4章 夢と現実と異世界
「はぁ…疲れた…」
大技ができるようになった事で部長の指導がきつくなり華楓は疲れきっていた。
「18:29…」
ベッドに座りスマホの時計を見る。
「何事もなくここに戻れますように」
華楓はそう願い、瞼を閉じた。
そして目を開けた。朝頃だろう、華楓日差しのある広場に立っていた。そこは昨日最後に見た景色だった。
視界に入るビジュアルを確認すると、リンク完了の文字と9:30ということが書いてあった。
「来ちゃったよ…来れちゃったよ…これで異世界に来れるの確定じゃん…」
初期設定で着ているシャツの袖をまくり左手首を確認すると昨日あったつる草文様の紋章があった。
「おっ華楓ー!陽二ー!」
5mぐらい離れた所にそれぞれ竜紀と陽二がいた。
「な?だから言ったろ。本当だって」
「いや、全然嬉しくないからね」
「で、どうする?この世界でやっていくなら拠点とか探した方が」
「暁なんでそんなやる気あるの?」
華楓に聞かれて顔を合わせる竜紀と陽二。
「楽しそうじゃんよ!」
「そういう事」
「はぁ…男は気楽でいいよね…」
「あ、昨日の!」
広場で騒いでいた3人に気づき1人が話しかけてきた。
「えっと、恋雪…さん?」
「はい!#NAME1ちゃん?あと2人は竜紀くんと陽二くんだよね?」
声をかけてきたのは昨日街を案内してくれた食品市の責任者の恋雪。
「ここでの生活は慣れたかな?あ、まだ拠点も決めてないんだっけ?だったら家具市の通りにある不動産屋に行くといいよ!」
「よく喋るな」
「それ」
恋雪の話す量に竜紀は陽二は若干ひいている。
「ありがとうございます恋雪さん。じゃあ竜紀、暁、不動産屋行こう」
「まじか、俺腹減ったんだけど、てか飲み込みはやくね?」
「とりあえず言われた通りにしよ?」
竜紀はしぶしぶ華楓についていく。その後ろを陽二は黙ってついていき、広場をあとにした。