第5章 女尊男卑
広場を通り過ぎ海沿いに出た3人は借りた一軒家に着いた。
「案外いいところだな」
「でしょ?だから言ったの」
竜紀が納得したのを見て誇らしげになる華楓。
鍵を開けドアを開ける。玄関は洋式になっており土足で上がることができる。玄関からのびている廊下を3mほど行くとリビング、ダイニング、キッチンがある大きい空間がある。家具は備え付けで冷蔵庫もテーブルなどもある。
「武器収納は玄関からここまでの途中の所にある扉みたい、部屋は2つが下、1つ上だけど…」
「俺上にする!」
華楓が言い終わる前に竜紀は口を開いた。
「陽二くんは下でいい?」
「大丈夫」
華楓と陽二もどちらの部屋がいいか決め終わりひと段落し華楓がカーテンを開けるとそこには大海原が広がっていた。
「わぁ…綺麗…」
「これ絵にしたら綺麗だろうな」
「陽二くん絵上手いもんね」
「確認したら画材が買えそうな市があったからあとで行こうと思うんだ」
「そうね…服も買いたいしね…初期設定のこれじゃちょっとね…」
華楓は少し薄汚れた白いシャツを見て言った。
「じゃあよ、今から市行って別行動するか!何時になったら広場みたいな」
華楓は竜紀の言葉を聞き壁にかかっている時計を見た。
「うーん…12時に広場はどう?」
今針が指すのは10:00である。
「俺はそれぐらいで十分」
「俺も、特に買いたいものねーしよ」
「おっけー!じゃあ12:00に広場ね!」
「そろそろ行こうかな… 」
今10:15。話していた直後に出た2人とは裏腹に華楓は置いてある食器をすべて洗っていた。
「そこそこ綺麗だからついこの間まで誰かいたのかな…」
そしてふと華楓がキッチンから見えるリビングにある低めのテーブルの下にある紙を見つけた。手を拭きその紙を手に取ると新聞の切り抜きだった。
「これは…」
その紙の端にはライバ新聞と書いてあった。それを見てこの世界の新聞と確信する華楓。
「女尊男卑…ようやく解消か…」
その記事はこの世界に女尊男卑が存在していることを示していたが詳しくは記事が汚れていて読めなかった。
「どういう事なんだろう…」