第3章 バトルバーチャルワールドで力を
目の前に広がる街、夕方の薄暗い中、街頭に照らせれてオレンジ色に輝く。商売熱心な店員の活気のある声が飛び交う。
「凄いね」
街の迫力に華楓は圧倒された。
「ちゃんとログアウトあるんだな」
メニュー表示でログアウトがあることを確認する竜紀。陽二もメニューを確認する。
「マップもあるんだな、ここは食品の市みたいだ」
周りを見渡す華楓は先にもう一つ市を見つける。
「あっちにもあるみたい」
「あそこは武器などの鉄製品」
「にしてもすげーな、ちゃんと街として動いてるんだな」
竜紀が感心していると1人の女性が寄ってきた。
「もしかして新規様?」
肩ぐらいの紺色の髪に少し緩いウェーブがかかっている。深々とお辞儀をした。
「私はこの食品市の責任者をしております恋雪(こゆき)です」
3人も自己紹介をしお辞儀した。
「よろしくね。ここは市が栄える街。大きな都、ピアセントに属しているランメル。旅でもなんでも、基本ピアセントを中心になるかと思うわ。私が街を案内するね」
3人は顔を見合わせたが形だけでもと恋雪について行くことにした。
「いいのか?こんなのこのこときちまって」
「いいだろ別に、どうせ1分しか経たねぇし」
竜紀は不満そうについて行く。陽二は何も考えずにただついて行く。華楓は目を輝かせながら周りを見渡している。
「いいところ」
「ええ。ここは市が栄えているから拠点を持つには良い場所よ」
少し歩くと人が集まれそうな広場に出た。
「ここは?」
「ここは全ての市に通づる広場になっているの。どの市にも行くことができるわ」
「恋雪さん!ちょっといいか?」
案内をしていた恋雪に男性が慌ただしそうに声をかけてきた。
「今行く!わからない事があったら気軽に声をかけてね」
そう言うと恋雪は足早に去っていった。
「で、どうすんだよ?」
くたびれた竜紀は少し苛立ったように言う。
「今からどうすることも出来ないし、ログアウトしよっか」
「多分ここでログアウトしたら次はここからスタートできる」
「よしじゃあログアウト!また明日ってことかな?」
そして三人はログアウトを押し視界は暗くなっていった。