第3章 バトルバーチャルワールドで力を
ゆっくりと目を開けた華楓は周りを見渡すがそこは異世界に行く前にいた自分の部屋。
「あ、時間は?」
マドカの言葉を思い出しスマホで時間を確認する。
「18:31…ほんとだったんだ…夢じゃなかったの…」
座っていたベットから立ち上がり自分に異変がないか見渡す。が、異変は何も無い。
「紋章は?」
上着の袖を捲り左手首を確認すると、異世界ではあったはずのつる草文様の紋章が消えている。
「え、なんで?…もしかして戦闘とかは影響しないみたいなこと言ってたけどそれと関係してるのかな…」
現実世界に戻り突然1人になり先程の出来事が本当だったのか、夢だったのか今になり華楓は恐怖心に煽られる。
「これでまた明日も同じ夢みたら…明日竜紀と暁に確認したら内容が全く同じ夢を見てたら…ん?みんな一緒だったらもうそれは夢じゃなくてほんとに異世界…?」
「華楓ー!ご飯の前にお風呂入ってらっしゃい!」
深く考えすぎて頭を抱え込んだ華楓に母親が大きな声でキッチンから声をかけた。
「はーい!今入る!」
華楓は考えながら風呂の支度を始める。
「もし仮に、仮だとして本当に異世界に呼ばれて私たちがこんなことになったとしたら、なんで異世界に呼ばれたんだろう…」
特に仲のいい3人でもないのにというのが華楓の一番の疑問点。1人1人では共通点があっても3人で共通しているのは同じクラスということだけだ。
「まぁまずあの世界が何なのかわからなきゃ話になんないんだけどな…」
「何ひとりごと話してるのよ」
ブツブツ言いながら自分の部屋から出て階段を降り風呂場へ向かっていた華楓は母親に喋っているのを聞かれていた。
「いや、別にー…」
そして脱衣場につくと洗面台の鏡を見た。
「見た感じも何も変わってない…よね」
謎の不安に満ちていた華楓はただただ夢だと思うしかなかった。