第3章 バトルバーチャルワールドで力を
20秒ほど光ったバングルは縮まっていき、華楓の腕にガッチリと巻かれたような状態になった。
「いった…」
するとまた数秒後にはそのバングルは粉々になり消えていった。
「これは…」
バングルがあった手首の内側から出てきたのは青と白のつる草文様のようなもの。
"おめでとうございます。これで華楓も有能者です!"
「有能…能力ってこと?」
"はい、さぁその能力を使って残りのモンスターを倒してください!"
「そーだぞ華楓!加勢しろ!」
「って言ってもね…何の能力かぐらい教えてくれてもってもういないし!」
華楓のマドカはもう視界から消えていた。
「陽二危ない!」
竜紀と戦ってたモンスターのもう片方の腕が陽二の方に来たその時だった。
「危ない!」
華楓が思わず手を出すとその手から空気が出て、陽二に向かっていた腕は空気圧で投げやられた。
「え?何これ?ほんとわけわかんない!」
「空気ってことか…」
「ありがとう木更津さん」
「とりあえず今のんびりしてる暇はなさそうだね…」
3人の前には2体のモンスター。頭の上のライフゲージを見るが残り2/3もあるとなるとかなり厳しい。
「ほんと表示に関しては99%S…」
「早くチュートリアル終わらせよう」
パクリ疑惑が気になってしょうがない竜紀の言葉に被せている陽二。
「私が2体おびき寄せるから、2人は後ろから筋肉斬っちゃって」
「木更津さんそれは無茶だと思うけど」
「やってみなきゃわかんないでしょ!」
「こう言ったら華楓聞かねーから俺らは大人しく従おうぜ」
「よしっ…じゃあ行くよ!」
華楓は掛け声と同時にモンスターとの間を抜けおびき寄せ始めた。
「わっ、これ水も使えるのね…」
華楓の腕は水も纏う事ができる。
「ほらよっと!」
まんまと寄ってきたモンスターの拳を空気を纏った、水を纏った拳で対抗する華楓。
「今だな」
「あぁ」
この時を待ってたと言わんばかりの目つきで竜紀と陽二はモンスターの関節部分の筋肉を斬った。
モンスターは膝の裏の筋肉を斬られたと同時に崩れ落ちた。