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恋に恋した女の子

第1章 先生好きだよ


次の日親に怒られ
学校まで車で送られ
不可抗力で登校することになった

正直先生には会いたくなかった
だけど友人達は変わらず話しかけてくる

「病気だったんだよね、大丈夫?」
「ごめんね大丈夫だよ」

社交辞令の様に労われ
すぐさま話題は先生にチョコを渡すと言っていたあの子の事になった

「結局どの先生にあげたのよ!」
「えー絶対に言わない?」
「言わないから教えて!」
「家庭科の燭台切先生…」
「まじ?」
「まじ」
「あげてどうなったの?!」
「それは流石に秘密だよ」
「うわーつまんなーい」

数人が息を合わせた

「じゃあ本当に内緒だよ?」
「わかった!」
「先生と付き合うことになったの!!」
「「「キャー!」」」

まさに女子
私だってそんな夢あったのに
なんであの子はチョコで付き合える事になって
私はチョコで嫌われてしまった?
どの分岐点の選択を間違えたんだろう
あまりにも自分が惨めだった
誰かを責めた所で私が放った言葉は返らない
分かっているのに悲劇のヒロインで居ようとする自分に心底腹が立つ

それ以上聞きたくない
私は自分の席につき
このまま1日が早く終わることを祈った

そしてやってくる日本史
一番顔を見たくない彼
だけど会ってしまうとどうしても再燃する感情
ぶち壊すと決めた決意は
いとも簡単に崩れ去った

先生が私に気付いた瞬間
ふとポーカーフェイスが緩んだ
なんだ、先生笑えるんじゃん
そんな無邪気に笑えるんじゃん
こっちまで釣られて笑っちゃった
と同時にぶつけた酷い言葉を思い出し
バっと俯いてしまった

私が笑っていいわけが無い
嫌いとまで言ってしまった相手に笑うとは失礼
先程までの喜びが消え失せ
集中出来ないまま放課後になった
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