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恋に恋した女の子

第1章 先生好きだよ


全ての階段を降り
新たな人生を歩むことに目を向けかけた

「おい!」

先生が涙を流しながら私を呼ぶ

「なあに!」

負けじと大声で返す
すると駆け足で階段を降って来た

「それだけか?それだけなのか?」
「それだけだよ」

もらい泣きしてしまった
もう諦めたのに先生はずるい

「俺は…俺は」
「先生?ダメだよ」

次に言う言葉はもう分かってる
先生も同じ気持ちになってくれたんだよね
凄く嬉しい
だけど今更なんだ

「言いたいんだ」
「私も言いたい事我慢してたよ
先生よりずっと前から」
「…すまない」

きっと先生の頭に耳が生えていたら
きっと力なく倒れているんだろうな

「先生、やっぱり物々交換しよう」
「また吸うのか?」
「違うよ」

そう言って私はシャボン玉を差し出した

「今は私の方が大人だから煙草を持つの
先生は子供だからシャボン玉」

何を言っているか分からない様な目で見つめてくる

「いいから早く」

差し出せと促す

「いつか、本当にいつか
縁があれば人間どこかで出会えるんだよ
出会えた時に交換しようね」

精一杯の強がり

「わかった」

お互い涙でぐちゃぐちゃになった顔で笑う


本当にいつか私が大人になってで会えるかもしれない
出会えなかったら縁が無かったということ
それまでにいい人が現れる事だってある
ただ今はその時じゃない
先生を好きになってから
子供だった私が少し成長した様に思える


「じゃあ元気でね」
「お前も元気でな」


最後の別れを告げ
軽やかな足取りで学校を後にした


END
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