第2章 過去の記憶と生命と
そして、邪魔者扱いされた。
居ない者扱いされた。
空気扱いされた。
『エリザベスお嬢様と似ても似つかないわ』
『本当に姉妹なのかしらね』
『あら、知らないの?あの子、拾われたらしいのよ』
『そんな子の世話をしていたの?私達』
『やんなっちゃうわ』
召使さんから陰口を叩かれた。
たくさんの人にイジめられた。
一度、お城に隠れたことがあった。
嫌で嫌でしょうがなかった。
でも、誰も見つけてくれやしなかった。
ただ一人を除いては。
『大丈夫ですか?立てますか??』
お城が広すぎて、迷っちゃって泣いていた時に、そっと話しかけてくれた。
エリザベスお姉様だった。
この時、私はお姉様の遊び相手として、の侍女にされていた。
勿論、お姉様は私と姉妹なんてことは知らない。
『・・・・立てます。ありがとうございます・・・・』
『まぁ!怪我していますよ。手当てしますわ』
『いいですいいです!こんなの・・・すぐ治ります』
そう言いながらも、幼いお姉様は小さい私の膝の手当てをしてくれた。
『できた。これで大丈夫です』
そして、私を元の通路まで案内してくれた。
丁度、図書館から帰るところだったらしい。
『私とお姉様が本当の姉妹だったら』
そんな気持ちが渦を巻いていた。
お父様からは捨てられた、という事実は聞かされていなかったが、召使さんから言われた。